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友の旅立ち その2

大阪で生まれた男やさかい、
ギャグを交えなければ気がすまない。

シュン君との掛け合いも、
ラインで打ち合わせて仕込んであった。

けれどももちろん、
メグのために、
天に召されたお父様のために心を込めて、

それがコンセプトだった。

メグをメグたらしめたお父様。
たった一度、病床でお会いしただけだったけど、
ホントに素敵な、かっこいい人だった。

だから一生懸命、語った。
緊張したけども、
思いは伝えられたんじゃないかと思う。

あとで知らない何人かの人が、
涙が出そうになったと伝えにきてくれた。

新郎新婦が各テーブルを回る時、
「河童、大人気じゃ」
とメグが耳打ちしてくれた。

よかった。
相棒としての役目は果たせたようだな。


メグの歩みを紹介するナレーションの中には、
ほとんど誰も気づかなかっただろうけど、
ぼくと出会えた喜びが織り込まれていた。

ありがと、相棒!

最近の流れなのか、
ふたりの好みだったのか、
披露宴の構成はとてもシンプルだった。

それだけに天真爛漫なメグの姿が浮き彫りになり、
飾らない笑顔が誰をも魅了した。

チャペルでのお母様との入場から、
披露宴のお開きまで、
ずっとメグはいつものメグであり続けた。

誰もが幸せな気分になった。


会場を出てお見送りのとき、
非常識だったのだろう。
掟破りなのだろう。

ぼくはメグとハグをした。

あきれた人もいたかもしれない。
お叱りがあってもしかたがなかった。

「ま、相棒だから(しょうがない)ね」

誰かのそんな声が聞こえた。


こうしてメグは、
長い道のりを旅立っていった。

行ってきな相棒。
大丈夫。
何があっても君はメグだから。

そして君の相棒はいつも変わらずその場所にいる。





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